相模原キャンパスの一般公開 2009

P7210002.JPG

7月24・25日に開催された、JAXA相模原キャンパス(宇宙科学研究本部)の一般公開に行ってきました。(各写真はクリックで拡大します)

場所的にはこの辺り。

最寄り駅は JR 横浜線淵野辺駅。快速は止まらないので注意。

M-3 SII ロケット

P7210007.JPG

M-3 SII の原寸大模型。全長 27.8m。直径 1.41m。重量 61t。低軌道打ち上げ能力 770kg。

P7210013.JPG

固体ロケットなので、ノズルがついてるだけで、メカっぽいエンジンはない。ロケット花火のように、筒の中の火薬が燃焼して推力を発生させる。

このロケットによって打ち上げられた人工衛星/探査機は以下の通り。

M-V ロケット

P7210006.JPG

世界最大級の固体燃料ロケットM-V。全長約 30m。直径 2.5m。重量約 140t。低軌道への打ち上げ能力約 1,800kg。

このロケットによって打ち上げられた人工衛星/探査機は以下の通り。

ここに展示されているのは、フェアリングを除いて本物。本来 LUNAR-A を打ち上げる予定だったもの。LUNAR-Aはほぼ完成し、ロケットの準備もできたのだが、LUNAR-A に搭載するペネトレータの開発が難航したため、計画そのものがキャンセルされてしまいました。

P7220122.JPG

本物のフェアリングは、建物の中に展示されている。このフェアリングは雨に弱く、屋外展示できないみたい。

M-V ロケットは打ち上げ能力に比べてコストが高く、2006年におしまれつつも引退しました。

イプシロン・ロケット

P7220121.JPG

M-V の後継として現在開発中のロケット。HII-A の固体ロケットブースターを第一段に用い、第二段と第三段は M-V のものを改良して利用。全長24m。直径2.5m。重量92t。低軌道への打ち上げ能力約 1,200kg。2012年度打ち上げ予定

P7220119.JPG

打ち上げコスト約30億円を目標に、運用の省力化を目指している。

P7220118.JPG

打ち上げは、内之浦宇宙センターに新しい射場を作る計画らしい。

だいぶ話が本格化してきた印象を受けました。

かぐや / SELENE

P7220079.JPG

かぐやの観測結果を元に作成した月球儀と月の裏の地図

知名度の高さからかかぐやの展示は多かった。おなじみのハイビジョン画像や、赤青メガネで見る月の立体写真立体写真、かぐやの模型などなどなど。

P7220096.JPG

今後の月探査の計画。

P7220097.JPG

こちらはロードマップ。SELENE-2 ではローバを月面に着陸させ、表面探査を行うみたい。例の二足歩行ロボットについての言及は見当たりませんでした

P7220094.JPG

ローバの模型も展示

宇宙探査ロボット

P7210052.JPG

SELENE-2 用というわけではないが、中庭を使って宇宙探査ロボットのデモンストレーションも行われていた。障害物を認識し、安全な移動経路を自分で決定するみたい。

P7210022.JPG

こちらはテント内のコントロールルーム。残念ながら準備中の写真なので、モニタには特に面白いものは映っていない。

P7210025.JPG

突如雨が降り出す。慌てて探査ロボットに傘を。電子機器なので濡れるのはまずいらしい。

P7220099.JPG

今度は突風。テントが飛ばされないように体を張る説明員のみなさん。屋外での展示は大変ですね

PLANET-C

P7210058.JPG

金星探査機 PLANET-C をクリーンルームで組み立て中

PLANET-C は 2010 年夏に、H-IIA ロケットで打ち上げ予定の金星探査機。主に金星の大気を調べる予定。

あまり写真は撮ってないんですが、いろいろな展示をしていました。子供がすごく群がっていて近づけなかった感じ。

はやぶさ / MUSES-C

P7220085.JPG

来年6月に地球に帰ってくる小惑星探査機「はやぶさ」の実物大模型。

はやぶさは、地球に接近した後に、小惑星のサンプルの入ったカプセルを射出。カプセルはオーストラリアの砂漠に落下する予定です。そして、カプセルを射出した後に、本体はそのまま大気圏に突入して燃え尽きるそうです。

P7210067.JPG

「はやぶさくんへ」。この手紙の右下には、お母さんからのこんなメッセージも記されていました。

はやぶさの大気圏突入のニュースを知った娘は、涙をポロポロ流しながら「宇宙飛行士になるの、やめる」と言いました。はやぶさの事を本当のお兄さんのように思っているようです。「トランポリンではね返したら?」とか、色々と考えたことを話してくれます。今では、はやぶさの兄弟達と宇宙で遊べるようにがんばっているようです。
あと少し、運用チームの方々もお体に気を付けてがんばって下さい。(母)

。゜。゜(ノД`)゜。゜。

はやぶさの後継機の話もありました。が、パネルの写真取り損ねちゃったよ…。松浦晋也のブログに詳しい話が出ているので、くわしく知りたい方はそちらを参照してください。

簡単にまとめると、こんな感じ。

  • 2010年代前半の打ち上げを想定
  • はやぶさを少し改良した「着陸帰還機」と、より簡素な「衝突機」を同時に打ち上げる
  • 衝突機は高速で小惑星に突っ込み、人工的にクレーターを発生させる
  • 着陸帰還機はその衝突を観測後、可能であればクレーターに降り立ちサンプルを回収する
P7210074.JPG
P7210070.JPG P7210071.JPG P7210072.JPG P7210073.JPG

「はやぶさ2」を応援するメッセージの数々

その他

P7220127.JPG P7220126.JPG

会場内で、愛想を振りまいていた宇宙飛行士らしき人。暑い中この格好は大変だったと思う。

P7230018.JPG

購入したグッズ。

  • 「おおすみ」風呂敷 (日本初の人工衛星「おおすみ」をモチーフとしたミニ風呂敷)
  • 「はやぶさ」クリスタル (クリスタルの中に「はやぶさ」が立体造形されている)
  • ISAS USB メモリ (通電すると、ロゴが青く光る。2GB)
  • 「はやぶさ」DVD (「はやぶさ2」応援バージョン)
P7230026.JPG

DVD のレーベルが「はやぶさ2」になっています。(「はやぶさ」とはアンテナの形が違う)

まとめ

ここではあまり取り上げていませんが、様々な分野の研究の展示がありました。さすが「宇宙科学研究本部」。

今回、来場者がかなり多かったように思います。今年は、「かぐや」が注目を浴びたこと、「きぼう」の完成、「日食」、「国際天文年2009」、「アポロ11号月到着40周年」などが重なって、宇宙への関心が高まっているような気がします。また不景気のあおりで「お金のかからないイベント」というのも来場者の増加に繋がったのかも。

夏休みということもあって、小学生くらいの子供も多かったように思います。足元に走りこんでくるので、何度か蹴っ飛ばしそうになることも。会場ですれ違った子供たちの中に、将来宇宙飛行士になったり、ロケットや探査機を開発する子がいたら嬉しいのですが。

参考リンク

関連エントリー

by Myfuna at 2009年07月26日 21:56 Comment(0) TrackBack(0)

筑波宇宙センターの特別公開

4月18日に開催された JAXA の筑波宇宙センター特別公開に行ってきました。

ここは、衛星の打ち上げ前の試験や、打ち上げ後の追跡管制、あと「きぼう」の運用管制室などがある施設です。宇宙開発系のニュースによく登場するところ。

場所的にはこの辺になります。

つくばエクスプレスで秋葉原からつくば駅まで、約45分というところ。つくば駅からは無料の送迎バスが出ていました。


P4180002.JPG

敷地内に入ると、H-II ロケットが出迎えてくれます。H-II は旧 NASDA が開発した純国産ロケットです。全長49.9m。ここに展示されているものは模型ではなく、開発試験用に作られた(ほぼ)本物です。種子島での燃焼試験などに使われたらしい。

実際に間近で見た印象としては、やっぱでかいな、という感じ。こんなでかいものを使い捨てにするんだから大変だよなぁ。

ちなみに、エンジンカバーの一部が透明になっていて、内部の LE-7 エンジンが見えるようになっています。「このエンジンを某国に持っていけば、一生遊んで暮らせるんじゃ?(ただし、帰ってこれなくなりそう)」とか思ったり。


P4180003.JPG

会場内では、あちこちで様々な実験が開催されていました。この写真は、中華鍋で BS 放送を受信する実験の様子。画像の受信にも成功していたようです。

P4180009.JPG

これは、二つのパラボラアンテナを50mほど離して対面させ、アンテナに向かって声をかけると、反対側のアンテナにその声が聞こえるという実験。左下に「かぐやちゃん」のイラストがw

ちなみに、本物のかぐやはこんな感じ。

P4180017.JPG

写真やカタログで大きさは知ってたんですが、これもまた実際に見るとでかいなぁ。高さ 4.8m 。重さ 約 3t らしい。

2007年9月に打ち上げられたかぐやですが、概ね計画通りの観測を終えています。現在低高度での追加観測を行っていますが、今年6月10日ぐらいには運用を終了し、月面に制御落下させる予定だそうです。

P4180019.JPG

こちらは、歴代ロケットの模型。一番手前がペンシルロケットで、その次が N-I、一番奥には今年9月に打ち上げ予定の新型ロケットH-IIBが見えます。

この H-IIB で打ち上げ予定なのが、こちら。

P4180040.JPG

ISS への物資の補給を行う、HTV(宇宙ステーション補給機)です。約 6t の補給物資を運ぶ能力があり、ISS にドッキングもするらしい。

この写真は試験用のものですが、実際に打ち上げる初号機は、4月17日に筑波から種子島へ出発したそうです。


ISS 関連として、なぜかソユーズも展示されていました。

P4180022.JPG

説明によれば、1992年に作られた複製らしい。

P4180023.JPG

写真を撮り損ねたんですが、中身はすごくスイッチやら計器がえらくレトロなつくりになっていました。さすがに、現行機はもっと近代化されてるんだろうな。


P4180032.JPG

こちらは実物大のきぼう実験棟です。内部に入ることができます。

P4180036.JPG

内部の様子。あくまで展示用なので、各種スイッチなどはかなり省略されていました。この写真は、比較的ちゃんと再現している部分。間違ってスイッチに手を触れてしまわないように、ガード用の金具が付いているのがわかります。全部 NASA の規格に合わせて作っているらしい。


きぼうの実物大模型のすぐ前に、宇宙食が展示されています。

P4180027.JPG

おおう。以前記事にしたこともある日本製宇宙食「スペースねぎま」じゃないですか!(ピンボケなのが残念)

P4180029.JPG

こっちは、「スペースおいなりさん(紅しょうが付)」。他にも、「スペースおこのみ」「てんぷらそば」「あんかけごもくうどん」などが展示されていました。

会場では、宇宙食の販売もしていたんですが、残念ながらこの辺のメニューは扱っていなかったようです。売ってたら箱買いしたのに!


さて、筑波宇宙センターには、きぼうの運用管制室があり、ここも見学可能です。ただし、実際に運用を行っている最中ということで、内部の撮影は禁止。また、手荷物などは持ち込み不可(入り口で預ける)でした。この辺は NASA の保安基準が適用されてるのかな。

雰囲気は、以下のページを参考にしてください。

実際に見た印象は「まるで映画のセット」という感じ。どうでもいいんですが、CRT と液晶の比率が半分半分ぐらいなのが、ちょっと印象的でした。

きぼうで行われる実験ですが、宇宙飛行士がすべての作業を行う訳ではなく、実験の多くのフェイズは地上からのリモートコントロールで行うそうです。たとえば、宇宙飛行士に実験の材料を実験用の機器にセットアップしてもらい、宇宙飛行士が寝ている間に地上から機材をコントロールして実験を行うとか。

そうゆう話は知ってはいたんですが、こうして実際に見てみると、お金も人手もかかる大変なことやってるなぁと実感しました。組織を作り、人を育て、ノウハウを蓄積するというのは、一朝一夕にできることではないので、きぼうを十分に活用すると共に、その先をちゃんと考えていく必要があると思います。


きぼうの運用管制室よりはちょっと小規模ですが、ここには人工衛星の追跡管制を行う「追跡管制センター」というものもあります。その中央管制室の写真がこちら。

P4180012.JPG

薄暗い部屋に灯る巨大なディスプレイかっこいいなぁ。男の子ならこのかっこよさにしびれるはず(実際の運用時にはこんなに暗くないらしいです)。


P4180005.JPG

これは会場内で食べた「宇宙ランチ」(650円)。他には「天の川カレー」なんてものもありました。味は、ふつうにおいしかったです。


P4200007.JPG

こちらは、会場でもらった記念品。

エコ運動の一環として、公共交通機関でご来場の方に限り左下のハンドタオルがもらえるそうです。

めがねの下に見えるカードですが、JAXA の衛星が描かれています。これを7枚集めると金色のレアカードがもらえるらしい。

このほかにも随所でいろいろなものを配っていたようです(一部子供限定)。


総評としては、楽しい一日でした。実物大のロケットや衛星が見れたし、本物の管制室も見れたし、なんといってもスペースねぎまの実物が見れたし。

10月にも特別公開があるようなので、興味を持った方は遊びにいってみてください。入場無料です。

この記事ではあまり取り上げていませんが、水ロケットの打ち上げやクイズ大会など、子供向けのイベントもたくさん行われていたので、子供連れでも1日楽しく過ごせそうです。会場は、大学のキャンパスのように、広大な敷地に建物が点在してるような構造になっています。自由に入れる芝生も多いので、お弁当を作ってくるのもいいかもしれません。

会場内には巡回バスもありますが、なにせ広いので結構な距離を歩くことになります。なるべく歩きやすい格好で来た方がいいと思います。また、雨天中止のイベントが多いので、出かける前に天気予報を確認した方がいいでしょう。

by Myfuna at 2009年04月20日 17:31 Comment(2) TrackBack(1)