感想:素晴らしき哉、人生!(It's A Wonderful Life)

細田守ブーム継続中。というわけで、今回は「素晴らしき哉、人生!」(1946年 監督:フランクキャプラ、主演:ジェームズ・スチュアート)を観てみました。

著作権切れの古い映画を500円で売ってる格安DVDの棚が行きつけの本屋にあって、試しに購入してみた何本かのうちの一本。(参考用にアマゾンへのリンクを貼っておきますが、私が購入したものとは違う商品です)

初めて格安DVDを購入してみたのですが、映像特典もメニュー画面も関連商品のCMもないシンプルな作りでした。白黒の古い映画だということもあって画質に特に不満はなし。余計なおまけのないシンプルな作りにむしろ好感が持てる。いちおう、最低限のチャプターは入ってます。

以前からメジャーな古典映画は一通り観ておこうと努力しているんですが、今回この作品を購入したきっかけは、細田守の以下のインタビューが脳裏に残っていたという理由が大きい。

Q. 「二十代後半の独身女性が観て面白い映画があれば教えてください」

細田 「色々とさっきから考えてたんですけどね。フランク・キャプラ監督の『素晴らしき哉人生』という古い映画がありますので、良かったら是非観てみてください。何か感じるものがあるかもわかりません。シナリオを作ってた時に、『素晴らしき哉人生』は良いよねって話をしてたんですよ。」

渡邊 「スタッフ内ブームが起きてましたね。」

時をかける少女公式ブログより

当方、二十代後半でもないし、独身女性でもありませんが。

感想:素晴らしき哉、人生!(It's A Wonderful Life)

とある田舎町に住む若者が主人公。人一倍努力家で才能にも恵まれている彼は、いずれこの小さな町を出て世界を舞台に活躍することを夢見る。しかし、様々なトラブルで夢を諦め、父の事業を継いで町に残り、家庭を築くことになる。ささやかながらも幸せな人生。しかし、ある年のクリスマス・イブに大きな危機が訪れ、彼は絶望から自殺を図ろうとする。そんな彼の元に二級天使を名乗る男が現れて…。というお話。

若者の頃は、未来に無限の可能性とたくさんの素晴らしい夢があったはずなのに、気が付くとがんじがらめの状況に囚われている、そんな大人達のためのファンタジー。題名そのままに、「あなたは今、とても素晴らしい人生を送っているのだ」というめっちゃくちゃ肯定的なメッセージをストレートに投げかけてくる映画。

一歩間違えれば説教臭くなりそうな内容だけど、暖かい視点とユーモアのある語り口、大恐慌や世界大戦などの時代背景をうまく取り入れつつ緻密な伏線とその回収に成功している脚本、そして見事な役者の演技などが上手に噛みあって、素直にラストシーンを受け入れられる映画になっている。

特に素晴らしいなぁ、と思ったのは、劇中に何度か繰り返されるシチュエーションがあって、その時々で印象がまったく違うこと。言葉で語るよりも映画で語る方が何倍も力強いメッセージとして伝わることがいくつかあって、「あなたが見ている世界は、あなたの気持ちの持ち方でいくらでも変化するものだ」というのもそのひとつだと思う。

もうひとつ感じたのは、古い時代を舞台にした白黒の映画だからこそ、気恥ずかしいメッセージを素直に受け取れるんじゃないかということ。舞台を現代にして今のフィルムで同じ内容を撮ると印象がだいぶ変わると思う。

同じことは、アニメだからこそストレートに伝わるメッセージがあるんだとか、童話や昔話になぜ教訓が含まれていることが多いのか、みたいな話にも通じるのかもしれない。

古い映画だし、いかにも名作ものっぽいタイトルだけど、ストーリーは分かりやすいしテンポもよいので、気楽に観ることができると思う。さすがに、ド派手なアクションや爆発シーンなんかはないけれど、ある種の並行世界風な展開もあるので SF 好きにも意外と楽しめるんじゃないかな。(まぁ、早川さんのような濃い人にはちょっとアレかもしれんが)

元気の出る映画なので、ちょっと落ち込んだ時に観るといいかも。

by Myfuna at 2006年10月07日 16:19 Comment(3) TrackBack(0)
この記事へのコメント
この映画、小さいころに見まして、痛く感動した覚えがあります。

今でも定期的に見たくなる映画の一つですわ。

ちょっと変わったクリスマスキャロルって感じですよね。
by tetsu at 2006年10月07日 18:34
なんか、アメリカではクリスマスシーズンに必ずTVで放映される定番映画だとか。
確かに何度観てもいい映画かも。

あと、観る側の年代によって、また印象が変わってくるのかもなぁ。
by Myfuna at 2006年10月08日 03:40
はじめまして〜、「素晴らしき哉、人生」で検索して来ました。

 私もこの作品を初めて観たときの感動は忘れられず、ここ数年この時期になると観ているんです!

 絶望になったときこそ自分という存在を冷静に考えることが必要なんですね〜、ラスト・シーンはいつ観ても涙が止まりません。

 私も今回この映画を記事にしました〜よろしかったら一度いらして下さいね〜ではまた♪
by ルーシー at 2006年12月23日 09:28
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