最近観た/読んだ押井守関連の作品

なんだか久しぶりの更新。

最近観た/読んだ押井守関連の話なんぞを。

スカイ・クロラ

良い映画だと思うけれど、「結局いつもの押井守だなぁ」とも思った。

アニメとも実写ともつかない独特の質感で描かれる空戦シーンは見事。ここまでGを感じる映像は今まで観たことがない。キャラクターの日常芝居も素晴らしかったし、キルドレの声に非声優を使ったのも意外と良かった。

ただヒットはしないだろうなぁと思う。観念的な話だし、劇的な盛り上がりや感動的なシーンがあるわけではない。「長台詞を減らしてみました」とか「キャラクターの演技を丁寧に描きました」とかいうのはあくまで押井守の他の作品と比較した場合の「当社比」にすぎない感じ。

森博嗣の原作はずいぶん前に読んでいて、これを押井守が映画化すると聞いて驚いたものだが、そのとき漠然と予想したものと大きくは違わない出来だった。つまり、意外性とか新機軸は感じられなかった。個人的押井守映画ランキングとしては、GISよりは上、イノセンスよりは下、という感じ。

凡人として生きるということ

凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1))
押井 守
幻冬舎
売り上げランキング: 125

スカイ・クロラの宣伝で使われた「僕は今、若い人たちに伝えたいことがある。」の直接的な回答がこの本だと思う。内容は押井守が若い人向けに人生を語るという感じ。

この手の本って、たいていの場合自分大好きな著者が「俺の人生って素晴らしいでしょ」って言ってるだけだと思うんだけど、本書もその例外ではない。しかし、着眼点とか屁理屈めいた論理展開とかは面白いので、押井守好きな人にはお勧め。

個人的には結構共感できる内容だった。

他力本願

他力本願―仕事で負けない7つの力
押井 守
幻冬舎
売り上げランキング: 923

「仕事で負けない7つの力」というサブタイトルがついてる似非ビジネス書。実質的には、スカイ・クロラのメイキング本。映画製作において監督はさまざまな意思決定を行うことになるが、スカイ・クロラの製作で行った数々の意思決定がいかに必然かつ必要不可欠なものであったかを理屈っぽく語っている。ある意味で言い訳だけで一冊の本になっている感じ。

巻末(といっても、全体の1/4を占める)エピローグでは、押井守の半生を振り返っている。今まであまり詳しく語られることのなかった、ラジオディレクター時代や、最初の奥さんとの離婚などにも言及されているので、押井守好きには興味深いと思う。

戦争のリアル

戦争のリアル Disputationes PAX JAPONICA
押井 守 岡部 いさく
エンターブレイン
売り上げランキング: 48651

軍事評論家の岡部いさくと押井守の戦争をテーマにした対談本。兵器大好きなおやじ二人がずっと馬鹿話をしているだけなので、読んで参考になるというわけではないけれど、やはり着眼点と論理展開が面白い。一応「パックス・ヤポニカ」(押井守の仮想戦記もの)の関連本。

何度かに分けて行われた対談を一冊にまとめているらしく、同じ話が繰り返されるとこがあってちょっと読みづらい気がした。一方で、「日本はハリアーを搭載した軽空母を配備すべきだ」という押井守の思い付きが対談を重ねるにつれて理論武装を固めていく過程がちょっと面白かったかも。

圏外の女

ケータイ捜査官7」というテレビドラマの1エピソード(前・後編)。このドラマは各エピソードをいろいろな映画監督に担当させるという方式になっていて、押井守もその一人、ということらしい。

これは面白かった。質、量ともに無駄に多い食事シーン。無意味に多い入浴シーン。何ひとつ謎が明かされない謎めいた登場人物。意味不明な台詞、犬、檸檬。そして、物語はなんのまとまりも見せぬまま、強引かつ過剰な演出による感動的なラストシーン。「女立喰師列伝」のようでもあり、「うる星やつら」時代のオリジナルエピソードのようでもあり。

映画ばかりではなく、もっとこうゆう押井守も見てみたい気がする。

by Myfuna at 2008年09月03日 22:09 Comment(2) TrackBack(0)
この記事へのコメント
>なんだか久しぶりの更新。

本題とは関係なくて恐縮ですが、生きてんだかどうだか心配したこともあったさね。
by 木公 at 2008年09月03日 23:01
いやぁ、申し訳ない。お蔭様で元気にしております。
ぼちぼちネット上の活動も再開していくつもりなので、今後もよろしくー。
by Myfuna at 2008年09月04日 00:42
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/18788017