ISS 日本実験棟「きぼう」打ち上げ迫る

国際宇宙ステーション(ISS)に日本の実験棟「きぼう」を取り付けるミッションが3月11日から始まります。

「きぼう」ってなに?

高度400kmの衛星軌道上に浮かぶISSは、世界15カ国の協力によって建設が進められています。ISSでは、各国がお金を出し合って建設を進めるのではなく、必要なパーツを各国が分担して建造しあう方式になっています。

この中で日本の担当分が、「きぼう」という名の実験棟の建造、及びその運用です。その見返りとして、日本人宇宙飛行士の育成、日本人のISSの長期滞在、「きぼう」内で得られる各種実験成果および「きぼう」を運用することにより、宇宙に人を長期滞在させるためのノウハウなどを得ることを期待しているようです。

「きぼう」はどうやって打ち上げるの?

「きぼう」は3回に分けてスペースシャトルで打ち上げられます。

1J/A (STS-123)ミッション

2008年3月11日午後3時31分(日本時間)打ち上げ予定。土井隆雄宇宙飛行士搭乗

まず最初に打ち上げられるのは、「船内保管室」です。これは簡単に言ってしまえば「物置」です。実験棟の上に付けられ、消耗品や普段使わないものをしまっておくようです。物置とはいえスペースステーションに設置されるものなので、船内と自由に行き来することができるように、電源の供給を受け気圧や温度の管理などを一定に保つ環境制御能力があります。

なお、船内保管室は打ち上げ後は、一時的に米国の「ハーモニー」モジュールに取り付けられ、次のミッションの後で本来の位置に移動する予定です。

ちなみに、この船内保管室が日本が打ち上げる初めての「有人宇宙機」となります。

1J (STS-124)

2008年5月26日午前8時26分(日本時間)打ち上げ予定。星出彰彦宇宙飛行士搭乗

二番目に打ち上げられるのが、「船内実験室」と「ロボットアーム」です。

「船内実験室」は、筒型の大きなモジュールで、内部で人が生活することができます。各種制御用の機器と、実験用のラックなどが用意されます。船内で行われる実験としては、微小重力化でのタンパク質結晶生成実験などが予定されているようです。

「ロボットアーム」は、船外に取り付けられ、船内から操作可能です。6つの関節を持った親アームと、やはり6つの関節を持ち親アームの先端に付けられる取り外し可能な子アームからなります。

15A(STS-119)

2008年12月4日以降。若田光一宇宙飛行士搭乗(ISS長期滞在)

「きぼう」の打ち上げは3回に分けて行われますが、3ミッション連続で行われるわけではなく、2回目と3回目のミッションの間に別のミッションが3つ入ります。その中のひとつが 15A (STS-119)ミッションです。

このミッションでは、S6トラス、太陽電池パネルなどを打ち上げる予定ですが、それと同時に若田光一宇宙飛行士が搭乗し、ISSへの長期滞在を開始する予定です。

若田宇宙飛行士は約3ヶ月間 ISS に滞在する予定です。

2J/A (STS-127)

2008年度中予定

3番目に、「船外実験プラットフォーム」と「船外パレット」が打ち上げられます。

「船外実験プラットフォーム」は、微小重力、高真空下用の多目的実験スペースです。EFBM(船外実験プラットフォーム結合機構)という、実験装置を接続するための結合部が12個あって、ここに各種実験装置をくっつけたりはずしたりできる模様。EFBMに接続された実験機器には電力や通信、熱制御などのラインが確保され、船内からの操作で各種実験機器を制御したりデータを取得したりすることができます。ここで行われる実験は全天X線監視などが予定されているようです。

「船外パレット」は、実験装置を保管/運搬するための機構のようです。各種実験装置は船外パレットに設置された状態でシャトルで打ち上げられ、船外パレットごとISSに設置、実験時には船外プラットフォームに移動し、実験が終了したら船外パレットに戻しシャトルで回収します。

その他の計画

運用管制システム

「きぼう」を運用するためには、宇宙に人を送るだけでなく、地上でも様々な仕事が発生します。JAXAは「きぼう」の運用管制室を筑波宇宙センターに設置し、50名以上のチームによる3交代24時間体制での運用を行います。

宇宙ステーション補給機(HTV)

日本は、ISSへ補給物資を届けるために HTV という無人輸送機も開発しています。HTV は H-II Bロケットにより、種子島宇宙センターから打ち上げられ、ISS にドッキングします。HTVは、食料や衣服、各種実験装置などを ISS に補給後、船内で出たゴミを乗せて離脱し、大気圏内で燃え尽きます。

HTV初号機は、2009年度打ち上げ予定です。


ISSの建設が始まったのは 1998年11月のことです。当初、2000年2月に打ち上げ予定だった「きぼう」は、紆余曲折の末に8年遅れで、ようやくスタートラインに立とうとしています。

宇宙開発をウォッチしていて、いつも感心するのは、それに携わる人々の粘り強さです。決して諦めることなく、それでいて冷静かつ柔軟にミッションの成功に向けて努力し続ける彼らの姿勢に、私は深い感動を覚えます。

宇宙開発全般に言えることですが、打ち上げそのものの成功も重要ですが、打ち上げに成功した瞬間から長い長い運用フェイズが始まります。「きぼう」は10年以上の使用を前提として設計されているそうですが、その寿命が尽きるまで、なるべく長く運用を続け、素晴らしい成果を生み出して欲しいと思います。

まずは、3月11日の打ち上げを楽しみしています。がんばれ「きぼう」!

by Myfuna at 2008年03月01日 03:23 Comment(0) TrackBack(0)
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